Camino de Santiago

銀河の道 Mitsue Kojima

第11章 巡礼を終えて

サンティアゴ巡礼道を行くことは、大自然の風と水と火と土にふれる旅でした。
強風は私の心のゴミを吹き飛ばし、そよ風は体に新たなエネルギーをふきこんでくれた。大雨は過去の感情を浄化し、そよそよと流れる小川は心に平和をもたらしてくれた。チムニーの炎は心の闇を焼き、燃えるような太陽は情熱を与えてくれた。果てしなく続く大地は私にすべては永遠に終わらないことを教えてくれた。そして自然界の植物と可愛らしい動物達は私の心に豊かさを甦らせ、朽ち果てる植物は「死」があることを教えてくれた。

夏の燃えるような日差しの中、果てしなくつづく一本の道を歩いていると意識が朦朧となり、思考が止まる。今、一歩踏み出すことだけに精一杯で、『今』しか見えなくなる。『今』だけがあることを痛切に感じる。ザックだけが私の全財産。いつなくなってもいいくらいの全財産。本当に必要な物ってなんだろうとふと思う。それはこの身だけなのかもしれない。

私の人生の巡礼はまだまだつづくのだろうと思う

巡礼では「歩く事」「食べる事」「寝る事」、基本的にこの3要素しかない毎日を送り、社会的な情報からも遠ざかる。エネルギーが分散されないので自分に集中でき、また思考をあまり使わないので感性も鋭くなる。問題のあった地から遠く離れ、その問題から意識が遠のくため、自分の潜在的な望みや才能にも気づきやすくなると思う。

巡礼は人生と同じ。出会った人は自分の学びのために出会っているのかもしれない。必要な物が与えられ、不必要な物は捨て去られる。そして未来がやってくる。巡礼して、私の中で、生きるという意味のほんの少しの何かが見え、そして意識改革もおきた。でも人間として、私の人生の巡礼はまだまだつづくのだろうと思う。